消防士の副業は禁止?地方公務員法と「許可される副業」の境界線を解説

副業

「消防士でも副業ってできるのかな」——
そう検索したあなたに、最初に正直なことを伝えます。

私は元消防士です。そして在職中、副業がきっかけで職場に処分されたことがある人間です。

だからこの記事は、ネットで集めた情報の寄せ集めではありません。ルールを甘く見て痛い目を見た当事者として、「何がダメで、何ならOKか」を、できる限り正確にお伝えします。読み終わる頃には、あなたが安全に一歩を踏み出すための判断軸が手に入っているはずです。

「消防士は副業禁止」は半分ホント、半分ウソ

まず大前提から。消防士(地方公務員)の副業は「完全禁止ではなく、許可制」です。ここを誤解している人が本当に多い。

消防士を縛っているのは、主に地方公務員法の3つの条文です。

消防士を縛る3つの法律

条文 内容 ざっくり言うと
第38条 営利企業への従事制限 会社を経営したり、報酬を得て働くには「任命権者の許可」が必要
第33条 信用失墜行為の禁止 公務員の信用を傷つける副業はNG
第34条 守秘義務 職務上知った情報を使ってはいけない

ポイントは第38条です。「副業そのものが禁止」なのではなく、「許可なく営利目的の仕事をすること」が制限されている、という構造になっています。

裏を返せば——許可が要らない形、あるいは許可を取った形であれば、消防士でも副業は可能なのです。

【実体験】私が在職中に処分を受けた話

ここで、私自身の失敗を正直に話します。あなたに同じ轍を踏んでほしくないからです。

私は消防に入って2年目の頃、自分が得意だった「公務員試験対策」を教える事業を副業として始めました。SNSで発信し、ブログに人を集め、オンラインで指導する——最初は小遣い稼ぎのつもりでした。

ところが、これが思った以上に手応えがありました。数ヶ月で受講生がどんどん増え、収入も本業を超えそうな勢いに。正直、調子に乗っていたと思います。

問題は、その事業が第38条が定める「許可」を取らないまま動いていたことでした。私は「自分が現場で働くアルバイトじゃないから大丈夫だろう」と都合よく解釈していたのです。

そしてある日、何気なく同期にその話をしてしまったことから、巡り巡って職場の知るところとなりました。結果、私は処分の対象となり、事業の見直しを迫られることになりました。

この経験から学んだことは2つです。

  1. 「バレなければいい」は通用しない。 人の口、住民税、SNS——足がつくルートはいくらでもある
  2. 稼げてしまうほど、許可の有無が致命的になる。 規模が小さいうちに、正しい形を整えておくべきだった

「許可制」という言葉を、私は身をもって理解しました。だからこそ、これから始めるあなたには、最初から正しいルートを選んでほしいのです。

許可なしでもできる副業(グレーではなく合法)

では、何が許可不要なのか。以下は「資産運用」などに分類され、一般的に許可不要とされています(※必ず自治体規定の確認を)。

  • 株式投資・投資信託・NISA
  • 不動産投資(一定規模以下。5棟10室未満が目安)
  • FX・暗号資産
  • 執筆・講演で得た原稿料(単発・継続性がない範囲)
  • フリマアプリでの不用品販売

判断の軸は「継続的に労務を提供していないか」。
自分が手を動かして働くのではなく、お金や資産に働いてもらう形は、セーフになりやすいです。

私の事業がアウト寄りだったのは、「自分が継続的に指導する=労務の提供」だったから。逆に、株や投資信託のように”お金に働いてもらう”形であれば、同じ収入でも扱いがまったく違ったわけです。

許可を取れば可能になる副業

「労務型・事業型は全部ダメ」というわけでもありません。許可を取れば認められる道があります。

  • 実家の農業・家業の手伝い(報酬あり)
  • 不動産の一定規模を超える賃貸経営
  • 講師業・執筆業などの継続的な活動

申請は「営利企業等従事許可申請書」を所属長経由で提出します。「どうせ通らない」と諦めて無許可で進める人が多いのですが、申請して認められるケースは実際に存在します。私が当時これを知っていれば、まったく違う展開だったはずです。まずは総務・人事担当に相談するのが、遠回りに見えて一番の近道です。

やってはいけない副業

逆に、明確に避けるべきものもあります。

  • アルバイト(コンビニ・配達など労務提供型)→ 第38条違反のリスク大
  • 消防の知識・立場を使った商品販売 → 信用失墜・守秘義務違反
  • 勤務中・仮眠時間中の作業 → 論外

特に「消防士であること」を売りにした発信や商売は、第33条(信用失墜)に触れやすいので要注意です。

なぜバレるのか?最大の原因は「住民税」

「黙っていればバレないのでは」と思うかもしれません。私のように口を滑らせなくても、バレる最大のルートは住民税です。

副業で所得が増えると住民税が上がり、給与天引き(特別徴収)の通知が職場に届いた際、金額の不自然な変化で気づかれます。

対策は、確定申告で住民税を「自分で納付(普通徴収)」に切り替えること。ただし、給与所得(アルバイト)はこの方法が使えません。そもそも労務型副業は避けるのが鉄則なのは、こういう理由もあるからです。

まとめ:消防士の副業は「資産運用+許可制」が現実解

最後に、私の失敗も踏まえた要点です。

  • 副業は完全禁止ではなく許可制
  • 投資・不動産・執筆は始めやすい(資産運用型)
  • アルバイト型・無許可の事業型は高リスク。稼げるほど危ない
  • 事業として本気でやるなら、面倒でも許可申請を
  • バレ対策の基本は住民税の普通徴収

私は遠回りをしました。でもあなたは、最初から正しい形で始められます。

次の記事では、シフト勤務でも無理なく続けられる具体的な副業10選を紹介します。「何から始めればいいか分からない」という人は、ぜひ続けて読んでみてください。

※本記事は一般的な情報提供です。実際の判断は必ず所属自治体の規定・人事担当に確認してください。

けん(元消防士)

この記事を書いた人 / けん(元消防士)

18歳で消防に入職し、在職中の副業を経て退職。今はWebの世界で働きながら、消防士・公務員のキャリアを「本音で・煽らず」発信しています。辞める/残る/副業、どの道もアリ。あなたが“自分に合った働き方”を選べるよう、現実的な情報をお届けします。

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